Kazoku Shirts始めました。

いかに僕たちは特殊な業界で生きているのだろうか。

そう考えることが最近多くなりました。

僕たちは縫製工場を運営しています。

ミシンを使って服を縫う仕事です、また日本全国の”働けなくなった”職人さんたちを在宅で開業してもらい、縫製を依頼するMy Home Atelierというサービスを運営しており、日々アパレルメーカーさんやデザイナーさん達から依頼を受けて洋服を縫っています。

その仕事自体はとてもとても誇らしい仕事です。

そして僕はよく起業セミナーなどで講演するときに

「特殊な業界なんていうのはない、どの業界もそれぞれの特性があって、”うちは特殊な業界だから”は全く言い訳にならない」

と言い続けています。

それでも、この仕事はとても”特殊”だと感じているのです。

商売の本質

どうして僕がこの縫製業が特殊だと感じているのか、

それは「交換だけになっている」からです。

商売のすべての範囲を定義するのは難しいかもしれませんが、

僕は商売とは、

自分の得意なことを価値に変え、交換し互いに得をし世間が良くなる三方良しであること、そしてそこに生まれる愛しいコミュニティ

だと思っています。(ちょっと格好つけました )

本来であれば物々交換が好ましい、

自分は服づくりが得意だけど、お米を育てることは苦手だから交換しましょう。

しかし、

例えば洋服を作って、その代わりに米俵1俵を交換してたら毎回とても大変だからその”引換券”として日本銀行が発行している紙である”日本銀行券”を渡しているのである。

これが商売の本質だと思うのです。

そして、

その物々交換を行うときに、

「今日はこんな野菜が出てるんだね」

であるとか

「こんなお魚見たことない!」

とか楽しみながら交換し、その交換相手とコミュニケーションをとることで、

コミュニティが生まれ”地域の仕事”が成り立つのだ、

そう思っています、

そして例えば

“谷さんのところの服はとってもおしゃれで丈夫だ”

とか言われるようになって、

それが”谷さんの服”みたいに呼ばれるようになって、

それがブランドの本質でもあると思うんです。

同じように例えば

木村さんの魚はいつも新鮮で美味しい!

であるとか、

佐藤さんの作る野菜はとても美味しい!

とか、

ものを作るその人だったり、その背景だったり、

その交換自体が商売だと思うんです。

そしてこの部分が

自分の得意なことを価値に変え、交換し互いに得をし世間が良くなる三方良しであること、そしてそこに生まれる愛しいコミュニティ

で言う所の

“そこに生まれる愛しいコミュニティ”です。

基本的な欲求、僕たちは知りたい、そして知ってほしい。

確かに、

僕たちは今のサービスを行う中で、

自分の得意なことを価値に変え、交換し互いに得をし世間が良くなる三方良しであること

は達成できていると思います、

しかし最後の

そこに生まれる愛しいコミュニティ

を作れているか?

そう思うことがあるのです。

僕たちは僕たちのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたい、

そして、

僕たちは僕たちが縫った服を買ってくれるお客様が知りたいのです。

「どんなお顔で悩んでくれてるんだろう」

「どんな時に着てくれるんだろう」

「何に興味あってうちの服を選んでくれたんだろう」

そんな”知りたい”という基本的な欲求が、この業界にはない。

ただ、技術とお金の交換だ。

そう思うのです、だから僕はこの業界を含めて作るだけを現金に換えている状態を

“特殊”だと思うのです。

今の仕事をしていて、

懐は暖かくなるかもしれない。

けど、

まるで海の真ん中に浮いている島のように、ポツンと置いていかれた気持ちになるんです。

僕たちももっとお客様とお話ししたい、そして知りたい。

知ってもらいたい。

だからシャツを作りました。

Kazokuというシャツとお店について

僕は少し恥ずかしい名前を商品につけました。

Kazoku Shirtsです。

そう、家族です。

うちは家業ですから(後継ではないが)

そういう意味での家族という意味ももちろんあります。

でも、別の感情もあります。

それは僕たちと一緒に服づくりをしてくれている国内に数百いる職人さんたちとのつながりです。

お客様に知ってもらいたい、知りたい。と同じように、

日本中の職人さんたちのことを知りたい、そして知ってもらいたいのです。

僕たちは日本中の職人さんたちと良くお話しをします。

ミシンを止めて1時間話すことも少なくないです。

ご主人が検査入院しただとか、

コロナの影響で孫が学校休みだとか、

たわいもない話をぐだぐだと話しています。

僕はなんだか日本中に”オカン”や”オトン”がいるような気になるんです。

テレビに出たら自分のことのように自慢してくれる職人さんたち、

大変なことがあるとすぐに電話を鳴らしてくれる職人さんたち、

嬉しいことがあったら報告してくれる職人さんたち、

大げさなんだけど、

ただの現金と技術の交換だけではないつながりがあるんです。

それをどう表現しようか、

ずっと考えていました。

どうやって名付けようか、

そんな時に生まれた言葉がKazokuでした。

だからこのKazoku Shirtsは”つながり”のシャツです。

そしてそれをもう、書いちゃってます。

画像1

職人さんたちが自宅で服づくりをしていること、

そしてこの職人さんんたちのミシンが、日本の縫製業を次世代につなぐことになるんだってこと。

それで、

そのシャツを通じて、皆さんのことを知りたくて、知ってもらいたくて、

僕たちと”つながり”を作って欲しくて、

そんな当たり前な欲求を満たしたくて、

作ったお店が 谷家屋 Valley Kazoku-Ya です。

そして、

作った商品たちです。

先のことについて

僕はこのお店を細々と続けていきたいなぁ。

と思っています。

売上のことだけじゃなくて、

やっぱり商売ってつながりであり、

そのつながりはコミュニケーションであり、

コミュニケーションから生まれるのがブランドなんだと思うから。

僕たちを”僕たち”と認識してもらうために、

お客様と繋がっていられるために。

最後に、嬉しかったこと

最後に、このシャツの予約を昨日3/23から開始しました、

その時にね、

一番嬉しかったのは友達たちがたくさん買ってくれたこと。

僕は商売も、ブランドも身内から応援されないものは成功しないと言い続けています。

だってそれは一番近くで頑張ってる姿とか、見てるから。

だから”買いたい”って思ってもらえなきゃダメだ、って思ってたから。

本当に、

本当に、

ありがとうございます。

そして、

これからもよろしくお願いします。

Hide

カテゴリーBlog