将来のアパレル業界について

今朝の繊維ニュース新聞を読んでいて一面にこんな記事が出ていました。

若い人たちにも読んでもらいたいので簡単な言葉で簡単に説明しますと、

高級コートなどで使用される尾州の生地の産地がピンチに陥っているというものです。

原因は、

糸の原料となるウールの羊を飼う牧場業者が高齢化による減少などにより羊の頭数が減る

糸の値段が上がる

糸を原料とする生地の値段が上がる

服の販売価格は決まっている  ←ここが問題

仕入れ値は変えられないとメーカーに言われる ←ここが問題

高い材料で同じ価格の生地を作る ←ここが問題

産地の利益が減る(給与下がる)

後継者いない←イマココ

廃業

生地の希少価値が上がる (近い将来)

生地代上がる(近い将来)

売値は決まっている

より産地の負担が増える

 

 

こんなことが起こってますよ

という記事です。

 

子供でもわかるような問題が起きています。

 

「より良いものをより安く」

と聞こえはいいですが、それは未来の前借りをしましょうという言葉にすぎません。

 

もちろんイノベーションにより以前まで不可能だったコストでモノを作ることもできます。

技術の発展によるイノベーションは素晴らしいと思います。

 

しかし、

それと同じように人が動いて作るモノの値段をどんどんと市場に合わせて変えていく今のアパレル業界は僕は正しいと決して思いません。

 

1つ素晴らしい例を出させてください。

 

僕はオーストラリアが大好きです。

というかオーストラリア人が大好きです。

 

その理由の1つに「日本人が忘れてしまっているであろう当たり前の感覚」を持ち合わせているからです。

オーストラリアの電気代はめっちゃ高いです。

オーストラリアに留学やワーキングホリデーしたことがある人はわかると思いますが、

シェアハウスなどでも電気代やお湯を使用することに対してとても厳しく管理しています。

(例えばハウスルールでお風呂は5分以内!とか)

 

しかしその理由はとても素敵な理由です。

電気代が世界一高いからです。

その理由は明確で「将来の地球のために原発をなくそう」と国民が国民投票で決め、

なおかつ石炭での火力発電はCO2を排出するとの理由で政府が「100年単位で地球を見て」再生可能エネルギーでの発電(風力、水力など)に切り替えました。

(もちろん議員は国民が投票で決めますので国民が決めています、特にオーストラリアの投票は義務化されており投票率は90%以上です)

その結果設備費が高くなり、日本の電力の倍の金額になりました。

 

しかし、

オーストラリアの幸福度ランキングは10位(1-5位までは北欧、欧州が独占)です。

日本は54位です。

 

尾州の生地の話からオーストラリアの幸福度まで考えるのは少しぶっ飛びすぎなような気はしますが、自分の子供、孫の時代にどんな世界になるかを想像できないのはあまりに悲しいことだと思います。

僕はTシャツを500円から5000円に、

コートを12800円から10万円にして欲しいわけではありません。

 

適正に、

しっかりとした価格で、モノを大切にしましょう。

そして、将来の自分たちのことを考えて行動することが大切なんじゃないか、

そう思うのです。

 

世界は綺麗なものだけじゃない。

汚いものも、見たくないものもある。

 

みんな心の中の小さな、でも本当は強い正義感では「なんとかしたい」と思っていても、

行動に移すことができない。

僕は少しネジが外れているので本当に「この世界を変えたい」そう思っています。

 

皆さんももし何か行動を!と思っていただけましたら、

服を買うときに「MADE IN JAPAN」を探して着てください。

 

 

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