服づくりを広げたいなら服づくりだけじゃダメだと思った

 

僕たちは縫製工場を運営しています。

日本の縫製工場は生産の海外拠点化などによりどんどんと数を減らしています。

同時に職人さんもどんどん減っています。

 

今いる職人さんも高齢化が進んでいます。

 

日本の服づくりはどうなっちゃうんだろうな。

 

そんなことを思ってヴァレイを立ち上げたのが3年半前。

 

なんとか縫製業を良くしたい。そう思って今まで色々考えてきました。

 

加工賃を上げるためにどうしたらいいのか、

効率を良くするためにどうしたらいいか、

それもこれも職人さんの待遇を良くすることを考えての行動でした。

職人さんのお給料を上げれば全てが解決する。

 

 

でもある時思いました。

 

「待遇を良くすれば縫製業は次世代につなぐことができるのか?」

 

と言うことです。

もちろん食べていけないお給料じゃだめ。

 

僕も当初ずっと「縫製職人で外車とか乗ってる人を増やしていきたい」と言ってました。

1000万円プレーヤーが縫製職人で生まれればいい。そう思っていました。

 

だから、

お金と言う解決方法に向けて全力を尽くしてきたんです。

そして子供達に伝えるのはこう

 

「服づくりでも頑張れば1000万円稼げるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだそれ。

全然面白くないじゃん。

 

 

突然思ってしまいました。

 

何度も書きますが、

もちろん待遇を良くしていくことは必要、

だけどさ、

 

アイドルに憧れる子供達、

お笑い芸人さんに憧れる子供達、

 

子供の頃からのそんな夢を持った人たちがたくさんいて、

本当に食っていけるかギリギリの生活を送っている人もたっくさんいます。

(僕も売れない役者だったのでとても良くわかります)

でもね、

みんな楽しそうなんです。

本当に楽しそうに人生をキラキラしながら過ごしています。

 

子供達が「縫製をやりたい」と思うきっかけは決してお金だけではないんじゃないか、

そう思ったんです。

 

だから服づくりを次世代につなぐために僕たちがやるべきことは、

ゆとりのある生活できる収入を得る仕組みを作ること、

服づくりが夢のある仕事であると言う魅力を伝えること、

この2つなんだなぁ、と思いました。

 

だから自分たちの業界を飛び出して、

どんどんと魅力を発信しなきゃならない。と思ったんです。

 

 

そんなことを思い出した時、

 

うちのスタッフから「縫製教室やりませんか」と言われました。

初めは「利益にならんし、と言うか土曜日出勤だから人件費も高いし・・・」みたいなこと。

 

だけどやりました。

何か変わるかもしれない。

そう思ったから、

 

そしたらね、

すっごく変わっていくんです。

 

子供達に服づくりを教えるようになって、

まずはスタッフが、社内が変わっていきました。

ただただ効率を求める、

結果を求める、

無機質な仕事に色が加わりました。

 

自分たちのやってる仕事は子供達が憧れてる仕事なんだ。

そんな思いが少しずつ会社内に溢れていったんだと思います。

 

染めの先生はっちゃん。

 

 

そして次に地域が変わっていきました。

「子供達のためなら」と地元の人たちが西日が強い教室前にゴーヤのグリーンカーテンを作ってくれたり、

いちご狩りできるようにといちごの苗を寄付してくれる人もいました。

 

お客さんが来た時もスタッフたちが「子供達にミシンを教えてるんです!」ととっても嬉しそうに話してくれるようになりました。

 

そしてその言葉が伝染して、

内職さんが増えました。

 

地元で「ミシンをやってる会社なんだ」と知ってもらって、

会社に地元のミシン好きの方や、洋裁が好きな方から問い合わせが来るようになりました。

 

服づくりをしている人はわかると思いますが、内職さんってとっても大切な存在です。

数でいうとワークショップ開始前に比べて3倍くらいになりました。

 

小さな町だからたまに町長なんかも遊びに来て「なんか服買って帰りたい!」と言われたりします。

「婦人服工場なんでないんですよ」とか言いながら、

良く来てくれています。

 

そしてこの前地元の町から連絡があって、

 

「町の大ホールを使ってファッションショーやりませんか」と言われました。

即答で「やります」とお答えしました。

 

1ヶ月かけて子供達と服づくりをして、

ファッションショーを行う、

当日はたった30分しかないけど、そのために自分でデザインして縫製も行う。

考えただけでワクワクです。

 

当日は新聞社の方にも来ていただいて、プレスリリースもやる予定です。

 

こうして服づくりをどんどんと広げていこう。と思ったら、

服だけ作ってたらダメだな。

そう思いました。

 

地域とつながることや、

利益にならなくたって心が潤わせることや、

しっかり夢を持つことや、

 

泥臭くて、

形にならないことでもコツコツと続けることで、

しっかり自分たちの土台を作ってくれるんだな、

そしてそんな会社だって知ってもらえるんだな。

 

 

そんなことも含めて、

 

「服づくりを教えることは自分たちが教えられるんだ」と実感しました。

 

 

 

 

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